東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

ロンドンの風景(イギリス)

キュー・ガーデンズ(ロンドン郊外)

ロンドン郊外にある王立植物園キュー・ガーデンズ

イギリスの首都ロンドンの中心部から地下鉄ディストリクト・ラインに乗って南西部に向かう。キュー・ガーデンズ駅の近くにあるのが、テムズ川の南側にある広大な王立植物園キュー・ガーデンズなんだ。

夏の間はウェストミンスター桟橋から船でキュー・ガーデンズまで行くこともできるらしいよ。所要時間は片道 1時間ほどらしい。天気さえ良ければ、時間があるならば、それも魅力的だよね。

皇太子の未亡人が作った植物園

ロンドン郊外にある王立植物園キュー・ガーデンズの中国風パゴダ(イギリス) 18世紀初頭、今のキュー・ガーデンズのあるあたりにはイギリス国王ジョージ2世夫妻の宮殿があったんだそうな。その息子フレデリックは、国王夫妻の土地の一角をもらって自分の住まいを営んでいた。

しかし、やがてはイギリス国王となるはずだったフレデリック皇太子は、西暦1751年に若くして亡くなってしまったんだ。

その未亡人にして皇太子妃だったオーガスタ王女は、二人の思い出の土地に小さな植物園を作った。それが発展して現在の王立植物園キュー・ガーデンズになったというわけだ。

右の画像にある中国風のパゴダは、若くして未亡人となったオーガスタ王女が存命中の西暦1762年に完成したものなんだそうな。

シャルロッテ王妃のコテージ

やがてイギリス国王ジョージ2世が亡くなり、未亡人オーガスタ王女の息子ジョージ3世がイギリス国王に即位したのが西暦1760年のこと。その2年後の西暦1772年にはオーガスタ王女も亡くなり、王女が造った植物園は息子のジョージ3世によって相続された。

ロンドン郊外の王立植物園キュー・ガーデンズにあるシャルロッテ王妃のコテージ(イギリス)

そのイギリス国王ジョージ3世の王妃が、西暦1761年に結婚したドイツのメクレンブルク出身のシャルロッテ。上の画像はシャルロッテ王妃のコテージなんだけど、散歩の途中の王妃がここでアフタヌーン・ティーを楽しんだりしたのかもしれないね。

世界最大規模の植物園 キュー・ガーデンズ

母親のオーガスタ王女から植物園を相続したイギリス国王ジョージ3世は、ジョセフ・バンクスに植物園の管理を命じたんだ。そのジョセフ・バンクスは世界中にコレクターを派遣して、様々な種類の植物を収集させた。その結果、今の王立植物園キュー・ガーデンは世界でも最大規模の植物園となったんだね。

ところが西暦1820年、イギリス国王ジョージ3世が亡くなり、同じ年にジョセフ・バンクスも亡くなってしまった。それからキュー・ガーデンズの植物園も荒れ始めてしまったんだそうな。(ジョージ3世の息子のイギリス王ジョージ4世リージェント・パークに名を残したんだけど、キュー・ガーデンズには興味がなかったのかな。)

そして西暦1840年、イギリスの王室はキュー・ガーデンズの植物園と周辺の土地を国家に寄贈したんだ。西暦1841年には正式に王立植物園が設立された。それが今のキュー・ガーデンズにつながるわけだ。

余談ながら、西暦1714年に即位したジョージ1世から、今もイギリス王家にはジョージという名前が受け継がれている。エリザベス女王のお父上はジョージ6世。映画「英国王のスピーチ」でその物語が描かれた人物だね。そして西暦2013年に生まれたエリザベス女王の曾孫がジョージ王子。その王子がイギリス王となれば、ジョージ7世になるわけだね。

キュー・ガーデンズの巨大なガラスの温室

イギリス国家によって王立植物園として組織化され、キュー・ガーデンズは更に発展した。植物園の中には巨大なガラスの温室も建てられたんだ。

ロンドン郊外の王立植物園キュー・ガーデンズにあるテンペレート・ハウス(イギリス)

その代表が西暦1848年に完成したパーム・ハウスや、西暦1899年に完成したテンペレート・ハウス(上の画像)かな。

キュー・ガーデンズを行進する水鳥たち

興味深い建物や植物を見ることの出来るキュー・ガーデンズには、たくさんの人々がやってくる。そんな人々に負けずと園内を歩き回っているのが、たくさんの水鳥たち。

ロンドン郊外の王立植物園キュー・ガーデンズを行進する鴨たち(イギリス)

上の画像は、ベンチの横を整然と行進する一群の水鳥たちだよ。とっても統率力のありそうなリーダーに率いられているね。


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