東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「モン・サン・ミシェルの旅」 (フランス)

ついでに、サン・マロ、パリのアンヴァリッド、ナポレオンのお墓参り

8. 中世の港町、要塞都市 サン・マロ (フランス)

ブルターニュの海辺のサン・マロ

フランス北部の世界遺産 モン・サン・ミシェルからバスに揺られて 30分ほど。到着したのはブルターニュ地方の海辺の街 サン・マロだった。

フランス北部の中世の港町 サン・マロの海辺

そのサン・マロの海辺の様子が上の画像なんだ。今は 5月だから人影も少ないけど、夏には多くの人々が海で楽しむんだろうね。ちなみに、サン・マロの街の人口は 5万人ほど。それが夏には 20万人ほどにふくれあがるらしいよ。ホテルもレストランも混むだろうな。

中世の港町 サン・マロ

サン・マロという街の名前は、6世紀頃のウェールズの修道士の聖マクローに由来するらしい。といっても、街を築いたのは彼の先輩の聖アーロンと聖ブレンダンだったらしいけど。

フランス北部の中世の港町 サン・マロ

このサン・マロのある土地は、元々はランス川の河口の島だったそうな。12世紀頃、そのサン・マロに人々が集まり始めた。商人や船乗りたちだった。こうして中世の港町 サン・マロが成長し始めた。

やがて、港町 サン・マロには、海賊(あるいは私掠船)たちも集まり始めた。彼らは英仏海峡を通る船から通行料を取ったらしい。ポルトガルにあるリゾート地ナザレは、長くて広い砂浜が美しい街なんだけど、19世紀まで海賊の襲撃を受けたらしい。このサン・マロの海賊たちがポルトガルまで遠征したこともあったかもしれないね。

その後、17世紀からはアフリカ、インド、中国などとの貿易の拠点ともなったんだそうな。ちなみに、カナダを発見したとされるジャック・カルティエは、サン・マロの住人で、このサン・マロからカナダに出航したらしいよ。

サン・マロと百年戦争、ユグノー戦争

そんな港町 サン・マロは、何度も戦火を蒙っている。フランスとイングランドとの百年戦争の際、サン・マロの街はブルターニュ地方にありながらも、イングランドと結んだブルターニュ公には従わず、フランス王の側に立っていた。故にブルターニュ公が何度もサン・マロを攻撃したらしい。

15世紀の始めにイングランド王ヘンリー5世がトロワ条約を結んで百年戦争を優位に進め、イングランド軍がモン・サン・ミシェルを攻囲した時には、サン・マロの艦隊がモン・サン・ミシェルのフランス軍に物資を補給し、抵抗を続けさせている。その後、ジャンヌ・ダルクの活躍なども有って、フランス軍がイングランド軍を撤退させるに至ったわけだ。

16世紀後半、サン・バルテルミーの虐殺などでフランスのユグノー戦争が激化した時代には、サン・マロはユグノー(プロテスタント)の側に立っていた。故にローマ・カトリック勢力の攻撃を何度も受けたらしい。やがてブルボン家のフランス王アンリ4世カトリックに改宗してパリに入城するまで、フランスはユグノー戦争の戦乱が続いたんだけどね。

イングランドの名誉革命によってオランダのオレンジ公がイングランド王ウィリアム3世として即位したんだけど、当時のフランス王ルイ14世太陽王はウィリアム3世の宿敵だった。そんなこんなで17世紀から18世紀にかけてイングランド軍がサン・マロを攻撃している。

フランス北部の中世の港町 サン・マロ

17世紀末にフランス王ルイ14世太陽王が始めたアウクスブルク同盟戦争の際には、このサン・マロの私掠船がイギリスの船を襲ったんだけど、イングランド銀行(今もロンドン金融街シティにある)を設立して資金を調達したイギリスが艦隊を増強し、このサン・マロを攻撃したらしい。そんなサン・マロの防備を固め、要塞都市としたのが当時のフランスの名高い築城家だったヴォーバンだった。

ちなみに西暦1758年にはイングランド軍がサン・マロ近くに上陸したものの、30隻ほどの私掠船を焼き払っただけで、要塞都市サン・マロに対する攻撃をすることもなく兵を引いたらしい。

中世の港町 サン・マロからパリ

バスに乗り込み、中世の港町 サン・マロを出発する。やがて レンヌの駅から フランスの誇る TGV に乗り込んだのが 18時過ぎ。フランスの首都パリのモンパルナス駅に到着した時には、20時を過ぎていたね。

今夜の宿はパリにあるスクリブ・ホテル。非常に良いホテルだね。設備も良いし、スタッフの対応もきびきびしている。しかも、オペラ座の横にあるという場所もよいね。というわけで、久々に夜のパリを歩き、ディナーを楽しんでホテルに戻った。明日はパリを観光の予定だ。


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