東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

ヨークと泉の修道院(イギリス)

11. ヨーク・ミンスター(大聖堂) -1

ヨーク・ミンスター(大聖堂)はすぐそこ

ヨーク・ミンスター(大聖堂)の塔(イギリス) セント・メアリーズ修道院(アビー)跡からブーサム・バー(城門の一つ)を通ってシティ・ウォール(城壁)の中に入れば、すぐそこにヨーク・ミンスター(大聖堂)がある。

高さ 71m の塔は、少々離れていても見えるから、格好の目印になる。右の画像は、ヨークの街の通りから見かけたミンスターの塔なんだ。

ヨーク・ミンスター(あるいはヨーク大聖堂)の建築工事が始まったのが 1220年、完成までには 250年もかかったこの大聖堂は、イングランドでも最大のゴシック建築なんだそうな。

セント・ウィリアムズ・カレッジはミンスターの聖職者の学校

いよいよヨーク・ミンスター(大聖堂)に入る ・・・ 前にちょいとトイレに行っておきたいな。というわけで、あたりを見回して拝借したのが、下の画像の建物のトイレ。

ヨーク・ミンスター(大聖堂)の近くにあるセント・ウィリアムズ・カレッジ(イギリス)

なかなか趣きのある歴史ありげな建物だと思って撮影しておいたんだけど、西暦1461年に創設されたセント・ウィリアムズ・カレッジ(ミンスターの聖職者の為の学校)の建物なんだそうな。

西暦1153年にヨーク大聖堂の大司教となったウィリアム・フィッツハーバートさんに捧げられたカレッジなんだそうな。で、その大司教さんは、イングランド征服王ウィリアム1世の甥にあたる方らしい。

そうそう、そのセント・ウィリアムズ・カレッジの建物の中なんだけど、レストランや土産物店もあったから、一般の観光客も歓迎みたいだった。

ヨーク・ミンスター(大聖堂)と古代ローマ帝国時代の石柱

さて、落ち着いたところで、いよいよヨーク・ミンスター(大聖堂)に入るかな。でも、その前にヨーク・ミンスターの正面入り口の前で撮影したのが下の画像なんだ。

ヨーク・ミンスター(大聖堂)と古代ローマ時代の石柱(イギリス)

ヨーク・ミンスター(大聖堂)の正面と塔は良いけれども、なんだかとっても邪魔なものが ・・・ 。でも、この邪魔な石柱が実は古代ローマ帝国時代のものだったりするんだ。

このヨーク・ミンスターの下には、古代ローマ帝国時代の大広間があるらしい。西暦306年に古代ローマ帝国の軍団の兵士たちは、その大広間でコンスタンティヌスを皇帝に推戴した。その大広間の柱の一本が、上の画像にある石柱なんだそうな。

上に書いたように軍団によって皇帝に推戴されたコンスタンティヌスなんだけど、ブリタニアに遠征していた父親と一緒にここにいたらしい。その後の彼はローマに向かい、西暦312年に対立するマクセンティウスを打ち破って皇帝コンスタンティヌス1世としての地位を固め、西暦330年には古代ローマ帝国の首都をコンスタンティノープルに移したわけだ。

しかし、ブリタニア(イギリス)で推戴された皇帝が戦いに慣れたベテランの兵士たちをヨーロッパ大陸に連れて行ったことで、ブリタニアにおける古代ローマ帝国の統治が弱体化したということはあるんだろうね。そして西暦410年に古代ローマ帝国はブリタニア(イギリス)を撤退するんだけど ・・・ それはまだ先の話だけどね。

古代ローマ帝国の都市エボラクムがヨークの起源

カエサルがブリタニア(イギリス)に遠征したのが紀元前55年なんだけど、古代ローマ帝国としてブリタニアを統治し始めたのは西暦43年のことだった。その年の内にロンドン(ロンディニウム)も建設している。そして西暦71年、今のヨークの起源となった街「エボラクム」が建設され、軍団が駐屯したんだそうな。

ブリタニア北部(今のスコットランド)に侵攻し、あるいは北方のピクト人に対する守りを固めるために、何人もの古代ローマ帝国の皇帝やブリタニア総督がエボラクムに来ている。

古代ローマ帝国のブリタニア(イギリス)統治において、このエボラクムの街(後のヨーク)はとっても重要な拠点だったわけだね。 ・・・ という話はそこまでにして、そろそろヨーク・ミンスター(大聖堂)の中に入るかな。


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