東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

ヨークと泉の修道院(イギリス)

02. 丘を越えて、ファウンテンズ修道院跡

スタッドリー王立公園の中にファウンテンズ修道院跡

ヨークから約 30マイル(約 50km)ほどのところにある丘で車を降りる。スタッドリー王立公園のビジター・センターの駐車場だ。

スタッドリー王立公園と言っても、日本人には殆んど知られていない。だって、日本で発売されているガイド・ブックには全くと言って良いほど載っていないんだもんね。しかし、ファウンテンズ修道院(アビー)と言えば、知っている人もいるかな。

そう、このスタッドリー王立公園の中にファウンテンズ修道院(アビー)の廃墟があるんだ。イングランド王ヘンリー8世の修道院解散の命(1539年)により、イングランドの修道院は解散を余儀なくされ、壮麗な修道院の建物は朽ち果てていったんだ。

しかし、このスタッドリー王立公園の中に残るファウンテンズ修道院(アビー)は、かつての修道院の中でも最も良く保存されている建物なんだそうな。確かにインブランド南部カンタベリー聖アウグスティヌスの修道院やアーサー王伝説ゆかりのグラストンベリー修道院はもっと荒れ果てているもんね。

野球場の177倍の広さ

ちなみに、このスタッドリー王立公園内にあるのは、ファウンテンズ修道院の廃墟だけじゃないんだ。典型的な英国式庭園と言われるウォーター・ガーデン(18世紀)もある。そのウォーター・ガーデンにも後から行くつもりなんだけどね。

その他に、山・川・野原・湖などもあるこの公園の面積は、ホームベースから外野席までが 120mある野球場の 177倍の広さなんだそうな。運動不足の私にはこの公園を歩き回るのも大変そうだけど、覚悟を決めてビジター・センターを出発する。丘の斜面の小路を登ったり下ったり ・・・ 。

ヒツジたちのいる丘

スタッドリー王立公園のビジター・センターから入場料を払って中に入り、そこでもらった地図を手に、ファウンテンズ修道院(アビー)跡に向かう。その途中の風景が下の画像なんだ。

スタッドリー王立公園の丘のヒツジたち(イギリス)

なんでこんなにヒツジ、ヒツジ ・・・。数えたら眠っちゃいそうなほどに多くのヒツジがいた。地図を読み間違えたか ・・・ と思って見直したけれど、やっぱりこの道で正しいみたい。このまま進むしかないやね。

余談ながら、シトー派に属したファウンテンズ修道院(アビー)の修道士たちもヒツジを飼っていた。彼等は羊毛で作った毛織物だけを衣服として着ていたんだそうな。しかも、その羊毛を染色することは禁じられていたらしい。下着も禁止だったらしい。修道士たちは「キリストと同じくらいに貧しく暮らす」ことを目指していたんだそうな。

丘の向こうの谷にファウンテンズ修道院の塔が ・・・

ヒツジたちに横目で見られながら、丘の小路を 1kmほども歩いただろうか。やがて、建物の一部が見えてきた。

丘の向こうの谷間にファウンテンズ修道院の塔(イギリス)

丘の向こうの谷間にある修道院ファウンテンズ修道院(アビー)の塔に違いないよね。

ヨークからファウンテンズ修道院(アビー)跡への交通

この後のページを読んでもらえればわかるけど、このファウンテンズ修道院(アビー)跡はヨーク近辺では絶対のオススメ。しかし、交通の便は悪い。自分の車で来ていれば全く問題は無いんだけど、車が無い場合はどうするかな ・・・ 。
  • 最も簡単なのは、私たちがしたように車を雇うこと。ミニ・キャブ屋サンに電話しても良いし、ホテルに手配を頼んでも良い。

    私たちはホテルに頼んで車を手配してもらった。バリッとスーツを着込んだ運転手がピカピカのベンツで迎えに来てくれて、4時間ほどお世話になった。

    費用は約60ポンド(1万円ほど)だった。ロンドンに比べれば、車代も安いね。もちろん、場合によって料金も異なるから、事前に料金を交渉しておくことは当然だね。

  • 列車とバスを乗り継いで行くことも可能だ。まずヨークの駅からリーズ Leeds 行きの列車に乗って約 30分、ハロゲイト Harrogate の駅で下車。そこから、更にバスで30分ということらしい。便数はとっても少ないみたいだけど ・・・ 。


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