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東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅
イタリア北部
1996年9月
18. ドウオモ - 2 (フィレンツェ)
今日は午後から青空が広がってきた。旅を始めて以来、ずっと雨ばかり降っていただけに、天候の回復がうれしい。ドウオモの横にあるジオットの鐘楼(下の画像)も、青空をバックにすれば更に美しい。
ドウオモもそうだ。日光が当れば、三色の大理石の装飾も鮮やかさが増すというもの。
ホテルの予約がキャンセルされている ?!?!
ひとまずホテルに戻る。ホテルを引っ越すことになっているのだ。
工事の為に窓を開けることが出来ないとはいえ、今のホテルは気に入っていた。しかし、2泊しか予約が取れなかったために、今夜からは別のホテルに移ることになっている。荷物をまとめ、タクシーで次のホテルに移動する。
今夜から 2 泊するホテルは、アルノ川に面している。しかも、ウフィツィ美術館に近く、まずまずのローケーションだ。しかし、すぐにふざけたホテルだとわかった。
タクシーを降りて、荷物を引きずり、フロントに立つ。名前と予約をしてある旨を告げた。感じの良いフロント係の男は、にこやかな笑顔を見せながら言う。
「お客様の予約は、キャンセルされました。」
おっと、そう来たか。ここで怒っても何にもならない。もちろん、引き下がれば今夜から宿無しになってしまう。
「おや、それは困ったね。いったい誰がキャンセルしたのかな ??」
係の男は、あくまでも笑顔を崩さない。良かれ悪しかれ、こいつもプロだ。
「お客様の旅行代理店です。」
「ますますイケナイねえ。ちょっと抗議をしておかないとね。じゃあ今から、その旅行代理店に電話をかけてくれるかい ?? 電話番号はわかるだろ ?? 彼らを叱りつけることにするよ。」
もちろん私だってロンドンの旅行代理店の電話番号は持っている。しかし、私の為にさんざん苦労してホテルの予約を取ってくれた彼らが、予約をキャンセルするはずはないじゃないか。そもそも、出張が多い関係で、私の勤務先の会社は、旅行代理店にとっては上得意なのだ。
フロント係氏、しばらく書類をパラパラとめくっていた。そして、笑顔を輝かせて私に言うのだ。
「ちょうど偶然にもキャンセルが入っておりました。お客様にお部屋をご用意することが出来ます。すぐにご案内させましょう。」
とんでもないイタリアのタヌキだが、ともかく部屋を確保することが出来た。しかも、案内された部屋からは、アルノ川を見下ろすことが出来る。午後の観光も残っていることだし、ここはニッコリ礼を言っておくことにしよう。
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