東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

ロンドンの風景(イギリス)

大学の街 オックスフォード
(ロンドンから日帰り)

ロンドンからオックスフォード

ロンドン市内から車で約1時間、パディントン駅から列車で行っても同じく1時間という大学の街 オックスフォードは、日本からの観光客にとっても行きやすい場所の一つだよね。しかも、オックスフォードの街は意外に小さくて、歩き回るのにも手軽でちょうど良いんだ。

オックスフォード大学

オックスフォード大学の起源は1525年にさかのぼる。当時の枢機卿が創立したカーディナル・カレッジが、その最初のカレッジなんだって。(これは間違いみたい。後述参照。)

1546年には、そのカーディナル・カレッジはクライスト・チャーチ・カレッジと改称された。色々なところに口をはさむのが好きなイギリス王ヘンリー8世の命によるらしい。カーディナル(枢機卿)というのはローマ・カトリックで教皇の次の位の聖職者だから、ローマ・カトリックと絶縁して英国国教会を設立したヘンリー8世としては、避けるべき呼び名だったんだろうね。

余談ながら、「ユートピア」の著者にしてヘンリー8世がテムズ川のほとりのロンドン塔に幽閉して処刑したトマス・モアも、オックスフォード大学で学んだんだそうな。

オックスフォード大学の建物(イギリス)

オックスフォードでの見どころの筆頭に上げられるのは、上にも出てきたクライスト・チャーチだろうか。その元となった礼拝堂は12世紀に建てられていたらしい。もう一つオックスフォードで日本人観光客の人気を集めているのは、マートン・カレッジ。皇太子様が留学していたカレッジだね。その創立は1264年。オックスフォードでも最古のカレッジの一つなんだそうな。

イギリスの清教徒革命や名誉革命とオックスフォード

世界を代表する大学の街として多くの人々がやって来るオックスフォードなんだけど、実はここはイギリスの清教徒革命(ピューリタン革命)や名誉革命とも関係の深い場所だったりする。

まずは清教徒革命(ピューリタン革命)においては、議会派と王党派とが内戦を繰り広げたんだけど、その王党派が本拠としていたのが、このオックスフォードだったらしい。

ちなみに、イギリス国王チャールズ1世の息子チャールズ2世は、清教徒革命の内戦の期間にこのオックスフォードに滞在していた。後にオックスフォードが議会派の軍によって攻略された際にはチャールズ2世は捕えられている。(その後のイギリスの王政復古の際にはチャールズ2世は王となったけどね。)

そのチャールズ2世を継承してイギリス国王となったジェームズ2世は、カトリックを優遇し、このオックスフォードの大学でも役職者にカトリックを就任させたんだ。それがやがてイギリスの名誉革命につながる原因の一つともなったみたいだね。



ところで、このページに書いたオックスフォード大学に関して、ある方からメールを戴きました。オックスフォード大学に関して、良くご存知の方のようです。たぶんオックスフォードに留学の経験がおありなのかな。せっかくですから、御本人の御了解を得て、ここに掲載させて戴きました。参考にしてくださいね。

オックスフォード大学の歴史について

オックスフォードで、タクシーの運転手などにオックスフォード大学を尋ねると、相手が当惑するか、そういうものはないというか、街中のカレッジ集まっているところをこのあたりだというか、というような回答がかえってくるといわれます。

オックスビリッジは、本来独立性の強いカレッジの集まりであり、それぞれが独自の歴史を持っていると思われます。15世紀ごろ創設された古いカレッジに、「ニュー・カレッジ」という名称がつけられているように、当時としてはそれは新しかったわけです。このカレッジにして、「クライスト・チャーチ・カレッジ」よりも古いのです。

13世紀につくられたマートン、ベリオルなどのカレッジは更に古いのです。オックスフォード大学の歴史は、カレッジの歴史ですから、そう考えると今あるカレッジ中最も古い「ユニヴァーシティ・カレッジ」の設立あたりが、さしずめオックスフォード大学の嚆矢と考えてよいかと思います。(アーサー王の学問所の伝説などは考慮しないとして)。

メールを有難うございました。また御気付きの点などありましたら、是非とも教えてくださいね。


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