東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

ニース・エズ(フランス)とモナコ大公国の旅

+ロンドン (2002年2月)


06. イタリア統一の英雄ガリバルディの故郷
(ニース、フランス)

ガリバルディ広場のガリバルディ像(ニース、フランス) ニースのカーニバルの一環として行われた花のパレードが終わり、やってきたのはニース旧市街。

ちょっと意外なんだけど、イタリア統一の英雄ガリバルディが生まれ育ったのは、このニース旧市街なんだ。(当時のニースはやがて統一イタリア王国の王家となるサルディニア王家の領地だった。)

そんなわけで、そのニース旧市街の一角にはガリバルディ広場が設けられ、その中心にはガリバルディの像(右の画像)が立てられているというわけだ。

但し、そのガリバルディ像に注意を向ける人は誰もいなくて、ましてやカメラを構えているのは私くらいのものだったけどねえ。

旧市街の路地(ニース、フランス) ガリバルディ広場から出る大通りを離れて、薄暗い路地を歩く。

1807年7月4日にガリバルディ広場近くで生まれたイタリア統一の英雄も、少年時代にはこの路地を走り回っていたかもしれないね。

かつて、ニースはイタリアだった

実は19世紀半ば過ぎまで、ニースはイタリアの一部だったんだ。正確には、イタリア統一を目指していたサルディニア王家(旧サヴォイ公家)の領地だった。

しかし、イタリア統一の為にナポレオン3世治下のフランスの協力を必要としていたサルディニア王家は、協力の代償としてニースをフランスに割譲することを約束した。それが1858年のこと。

翌年の1859年、サルディニア王国によるイタリア統一を阻止しようとするハプスブルグ家のオーストリアがサルディニア王国に対して最後通牒を突きつけた。そこで、サルディニアとフランスが同盟してオーストリアを打ち破ったというわけだ。

1860年には、千人隊を率いたガリバルディの活躍により、シチリアとイタリア南部がサルディニア王の支配下に入った。しかし、その年、密約によってニースはフランスに割譲された。

翌1861年、サルディニア王ヴィットリオ・エマヌエレ2世を国王として統一イタリア王国が成立した。英雄ガリバルディは、ようやく祖国イタリアを獲得したわけだ。但し、彼は自分の故郷を失ったけれども。

そして、1882年6月2日、ガリバルディ死去。74歳。

なお、この旅行記の中には、「ニースの歴史(コート・ダジュール、フランス)」のページもあります。興味のある方は寄り道してくださいね。

ついでながら、ニースなどがフランス領となることで微妙な立場に置かれたのが、ローマのヴァティカンと並ぶ小国モナコ。でも、西暦1861年にはモナコ大公国の主権をフランスが承認しているんだ。もちろん、その後も小国モナコは歴史の波にもまれることになるんだけどね。(モナコ・・・あの女優グレース・ケリーが嫁入りしたのがモナコですよ。)




ガリバルディが洗礼を受けた
サン・マルタン=サン・オーガスタン教会

旧市街の路地の奥に立つサン・マルタン=サン・オーガスタン教会。何の変哲も無い小さな古びた教会だ。

だけど、この教会は赤ん坊の頃のガリバルディが洗礼を受けた場所なんだ。

サン・マルタン=サン・オーガスタン教会の祭壇(ニース、フランス)
サン・マルタン=サン・オーガスタン教会(ニース、フランス)
誰もいない教会の中は、ガリバルディが洗礼を受けた頃とちっとも変っていないかのように古ぼけていた。

その頃の教会では、ガリバルディの父のような船乗り達や、港町のおかみさんたちが祈りを捧げていたのかな。

【参考】都市別ツアー


【参考】ホテル検索


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