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東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

冬景色のトルコ
(1997年12月 - 1998年1月)


04. アルテミス女神の神殿跡 (トルコ、小アジア)

聖母マリアの家エフェソスの古代ローマ遺跡の近くにもう一つ重要な場所がある。

その前に昼食の時間だ。バスで近くのレストランまで移動し、テーブルに着く。お昼の料理は、野菜のスープ、イワシの唐揚げ、サラダ、ケバブ。その中でもイワシの唐揚げが美味い。翌々年のことなんだけど、キプロスで食べたイワシも美味かった。エーゲ海ってのはイワシの美味しい海なのかな。

セルチュークの街(トルコ、小アジア)

昼食の後、セルチュークの街でバスを降りたのが2時。どうってことのない空き地から見た景色が下の画像。この画像の中には、二千年を越える時間の流れが地層のように重なり合っている。

城とモスクと教会とアルテミス神殿跡の円柱(トルコ、小アジア)

例えば、上の画像の中央やや左下に見えているドームのある建物は、1375年に建てられたモスク。その右上のやや小高い場所には、聖母マリアを小アジア(アナトリア)まで連れてきた聖ヨハネの墓があると伝えられている。

中央の山の上にあるのは、6世紀ビザンティン帝国の時代に建てられた城。今はその城には、赤地に白の月星が描かれたトルコ共和国の国旗がはためいているけどね。

でも、最も重要なのは、上の画像の右に立っている一本の円柱。これがエジプトピラミッドロードス島ヘリオス像などと並ぶ世界七不思議の一つ「女神アルテミスの神殿」の円柱なんだ。

アルテミス女神の神殿跡(トルコ、小アジア)

世界七不思議の一つとされているアルテミス女神の神殿も、今では廃墟となっている。残っているのは、一本の円柱(下の画像)だけなんだ。

アルテミス女神の神殿跡の円柱(トルコ、小アジア)

かつては、高さ19メートル、直径1.2メートルの円柱が127本も立っていたと言われる神殿。紀元前6世紀にリディアの王クロイソスが建築を命じてから、完成まで120年もかかった。

ところが紀元前4世紀のこと、有名になりたいと思った狂人エラストゥトスが放火し、アルテミス女神の神殿は崩壊してしまった。壮大な神殿は一本の円柱を残し、狂人は時の流れを越えて名を残したわけだ。

余談ながら、神殿に使われていた石材は、上の画像に見えるモスクの建築にも使われたらしい。

アルテミス女神

  • 胸にたくさんの乳房を持つ女神。

  • ギリシャ神話ではゼウスとレトの子であり、アポロンとは双生児の関係にあるとされている。

  • 元々は小アジアからギリシャに伝えられた神だと推測されている。

  • エフェソスでは、「豊穣と多産の神」とされていた。他方、ギリシャでは「美しい月の神」となっている。

え、 ..... あのオッパイお化けって、アルテミスの女神だったの ?!
なんや、知らんかったん !!

パムッカレ近くの高原のホテル

聖母マリアの家エフェソスの古代ローマ遺跡、アルテミス女神の神殿跡を見て、セルチュークの街を後にする。坂道を登り続ける私達のバス。標高が高くなってきたせいか、次第に寒くなってきた。これから冬の小アジア(アナトリア)の気候の厳しさを体験するわけだ。

ホテルに到着したのは5時半。部屋で休憩を取り、7時からはホテル内のレストランで夕食。今日も昨日と同じくビュッフェ・スタイルだ。料理を取りに行くのが面倒な私は、家内の食べ残しをもらって食べている。

こうすれば、家内は色々な料理を食べることができるし、私は取りに行く手間が省けるというわけだ。ちなみに、今夜のワインはトルコのロゼ。名前はメモするのを忘れた。味はまずまずかな。

食後のトルコ・コーヒーに「ありがとう」

食事の後、ホテルのロビーでトルコ・コーヒーを飲む。私はこのドロッとしたトルコ・コーヒーが大好きなんだ。やがて、コーヒーを持ってきてくれたウェイター君に一言。「テシュキュール エデリム」。彼はニコッとしてくれた。通じたみたいだ。

覚えるのが大変なんだけど、「テシュキュール エデリム」というのは感謝の気持ちを表す言葉なんだって。但し、とっても丁寧な表現。日本語ならば、「有難うございます」。

もう少しくだけた表現では、「テシュキューレル」と言う。こちらは「ありがとう」というニュアンスだろうか。もっと軽い表現ならば「サオル」。これは「どうも」という語感なんだそうな。この言葉で一般的には十分みたいだよ。

ところで上に書いた三つの「有難う」を、同じトルコ系のアゼルバイジャン(旧ソ連)でも使ってみたことがある。結果、通じたのは「サオル」だけだった。但し、発音は「サゴル」に近いものだったね。

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