東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「春のスペイン」

トレド、マドリッド、セゴビアを周り、歴史とバルと闘牛を楽しんだ

06. マドリッドのスペイン広場とドン・キホーテ

マドリッドのスペイン広場

旅の3日目の朝。今日は9時にバスに乗り込み、ホテルを出発。到着したのは、マドリッド市内にあるスペイン広場。海外からの観光客に人気のスポットなんだそうな。但し、そんな観光客を狙うスリやかっぱらいが多いらしい。バッグや貴重品に注意が必要みたい。

スペインの首都マドリッドのスペイン広場にて

このスペイン広場に観光客を引き寄せるのは、上の画像にあるセルヴァンテスの記念碑だね。椅子に腰掛けたセルヴァンテスの像。そのすぐ前にはドン・キホーテとサンチョ・パンサの像もある。

ちなみに、このスペイン広場は昨日プラド美術館で見たスペインの画家ゴヤの絵「マドリッドの1808年5月3日」に描かれている出来事の舞台だった。つまり、フランス皇帝ナポレオンの支配に対して立ち上がったマドリッドの人々をフランス軍が射殺した場所だった。このゴヤの絵はあるいは「プリンシペ・ピオの丘での銃殺」とも呼ばれるんだけど、このスペイン広場はかつてそのプリンシペ・ピオの丘の一部だったらしい。

スペイン広場にあるドン・キホーテとサンチョ・パンサの像

そして下の画像がセルヴァンテスの像のすぐ前にあるドン・キホーテとサンチョ・サンサの像なんだ。セルヴァンテスが小説「ドン・キホーテ」の前編を出版したのが西暦1605年のこと。後編の出版は西暦1615年だった。

スペインの首都マドリッドのスペイン広場にあるドン・キホーテとサンチョ・パンサの像

ドン・キホーテは元々はラ・マンチャ地方の村の郷士だった。が、騎士道物語を読み過ぎて挙句に自分を騎士だと思い込み、村の農民だったサンチョ・パンサを家来に仕立て上げ、冒険に出発したわけだ。そして風車に突撃したり、ライオンと闘おうとしたり ・・・ 。

「ドン・キホーテ」の作者セルヴァンテス

ところで、この小説「ドン・キホーテ」を著した作家セルヴァンテスなんだけど、西暦1547年にマドリッドの近くの村で生まれた。西暦1569年にはイタリアのローマに渡り、ナポリでスペイン海軍の兵士となった。西暦1571年にはオスマン・トルコ艦隊を相手のレパントの海戦にも参加し、そこで負傷している。イスラム教徒の海賊に捕われたこともあるらしい。

その後、スペインに帰国したセルヴァンテスは、様々な職業に就くもののいずれもうまくいかず。仕事の上での失敗によってスペイン南部アンダルシア地方古都セビリアの刑務所に入れられたこともあったらしい。でも、その刑務所の中で「ドン・キホーテ」のアイデアが浮かんだとか。

そして西暦1605年に小説「ドン・キホーテ」の前編、その10年後に後編を出版することになったわけだ。でも、セルヴァンテスの苦しい生活は続いたみたい。そんなセルヴァンテスは、後編の出版の翌年、西暦1616年に69歳で亡くなったんだそうな。

スペインで発行されたユーロのコインに描かれたドン・キホーテの作者セルヴァンテス

セルヴァンテスは小説「ドン・キホーテ」が売れてもお金は入って来なかった。でも、セルヴァンテス自身は今ではお金になっているんだ。上の画像はヨーロッパの新しい通貨ユーロのコインなんだけど、描かれているのはセルヴァンテスなんだ。お金に縁の無かった彼がお金になるなんて、セルヴァンテスもびっくりだろうね。

ラ・マンチャの赤ワインのエチケットに描かれたドン・キホーテ

マドリッドのスペイン広場から脱線しちゃったんだけど、脱線ついでにもう一つ。下の画像はスペインの古都トレドで飲んだ赤ワインのエチケットなんだけど、ドン・キホーテとサンチョ・パンサが描かれているんだ。

スペインの古都トレドで飲んだ赤ワインのエチケットに描かれたドン・キホーテとサンチョ・パンサ

ドン・キホーテはラ・マンチャ地方の村の郷士なんだけど、そのラ・マンチャ地方の中心が古都トレドだったりする。ついでながら、そのラ・マンチャ地方の特産のチーズがマンチェゴ。ワインを飲みながら食べるのに最適のチーズで、私の大好物なんだけど、日本ではマンチェゴは滅多にお目にかかれないのが残念だね。


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