春のポルトガル(1998年5月)
23. ファドを聴く(リスボン、ポルトガル)カスティリアの干渉を跳ね返してポルトガルが独立を維持した記念碑である勝利のサンタ・マリア修道院のあるバターリャを後にしたのが 4時過ぎだった。リスボン市内のホテルまでは、1時間半の予定だった。ところが、今日はポルトガルの三連休の最終日。行楽地からリスボンに戻る車で大渋滞が発生している。しかも、高速道路では玉突き衝突まで起こったらしい。 というわけで、リスボンのホテルに帰りついたの時には、7時を回っていた。予定の倍の 3時間もかかっちゃったわけだ。おかげでツアーの仲間達は疲れきってしまった。
ポルトガルの心を歌う 「ファド」風呂に入って汗を流し、着替えを済ませて出発したのが 8時半。今夜はポルトガルの心を歌う「ファド」を聞かせるレストランで食事をすることになっているんだ。
ポルトガルの歴史と言えば、イスラム教徒との戦いに明け暮れたレコンキスタ、カスティリアやスペインに対する抵抗・戦争、ナポレオン軍との戦い、国内の争乱だよね。それに忘れちゃイケナイのが、大航海時代。 そんなポルトガルの民族の心を歌うとなれば、登場するのは「死」や「別れ」、ついでに「港町」とか「男の帰りを待つ女」とかかな。確かに頭に浮かんでくるのは、「演歌」だよね。 ファドのステージやってきたのは、中世のリスボンの面影を残すアルファマ地区にあるレストラン。食事とワインを楽しんでいるうちに、ステージに明かりが灯された。
幕開けは明るいポルトガルの民謡と踊り。そりゃね、最初から暗くしちゃったら、通夜みたいになっちゃいそうだものねえ。 何組かの歌手やミュージシャンが入れ替わり立ち代わり演奏した後、いよいよ真打のファドの歌手が登場だ。なるほど、さすがに真打のファド歌手(下の画像の右端)は聞かせるね。
だけどね、本音を言えば、私にとって最も印象的だったのは、歌手じゃなくてギタリスト(上の画像の左端のオジサン)だったんだ。このオジサンの弾く丸いギターが歌うし、泣かせるんだ。 ショーの後、今夜の出演者達の CD や テープを売りに来た。もちろん、私が買ったのはギタリストのオジサンのテープだったね。( CD が無くてテープだけだったのは、オジサンが売れっ子じゃないということかな。) |
ファドのギタリストと記念写真ショーも終わり、帰り支度を始めようかという頃、私はトイレに立ったんだ。そこで出会ったのが、お気に入りのギタリストのオジサン。
慌ててテーブルに戻った私の手にはカメラ。めでたくギタリストのオジサンと記念写真(右の画像)に収まることが出来たよ。このギタリスト氏、ステージの上ではニコリともしないんだけど、実は愛嬌のある人物なんだ。英語も上手だしね。 私たちが店を出るときには、ドアの外まで出てきてくれたオジサン。タクシーに乗り込む私たちに、手を振って見送ってくれたんだ。「オブリガード !!」
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