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東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

カンパーニャ と ローマ・ヴァティカン イタリア

第四部 ローマ・ヴァティカン編


D38. ベルニーニによるハバククとダニエル
(サンタ・マリア・デル・ポポロ教会 -6.)


ベルニーニとキージ家礼拝堂

16世紀にラファエロによって設計されたキージ家礼拝堂を、17世紀の半ばにファビオ・キージなる人物が整備しようと考えた。

そして彼がキージ家礼拝堂の整備を依頼したのが、17世紀バロック美術の旗手ベルニーニだったわけだ。

ベルニーニ作
「預言者ハバクク」と「獅子と預言者ダニエル」

ベルニーニはサンタ・マリア・デル・ポポロ教会の中にあるキージ家礼拝堂を飾るために、自分自身で彫像を制作したんだ。それが「預言者ハバクク」と「獅子と預言者ダニエル」の二つの作品。

サンタ・マリア・デル・ポポロ教会のキージ家礼拝堂にあるベルニーニの「預言者ハバクク」(ローマ、イタリア) 紀元前606年、国を失ったユダヤ人たちはバビロンに捕囚された。その中に預言者ダニエルがいた。

ダニエルは予言の力をもってバビロンの王に使えた。ところが、王国が滅亡するという彼の予言に怒った王は、ダニエルを洞穴に放り込んでしまった。

神の命を受けた天使は、食べ物を持っていた預言者ハバククの髪をつまんで持ち上げ(左の画像)、宙を飛んでダニエルが放り込まれた洞窟へと運んだ。

サンタ・マリア・デル・ポポロ教会のキージ家礼拝堂にあるベルニーニの「獅子と預言者ダニエル」(ローマ、イタリア) 天使とハバククが運んできた食べ物によって命を救われた預言者ダニエルは、ひざまずいて天の神に感謝と祈りの言葉を捧げたというわけだ。(右の画像)

ちなみに右の画像にある預言者ダニエルの像の足許には、獅子(ライオン)の頭が見えている。彼が放り込まれたのは、獅子の住む洞窟だったんだ。

やがてバビロンの王国は滅亡し、迫害されていたユダヤの人々は救われた。

(.....質問があんねんけどな。)
はい、何でしょうか ??
(天使はんは髪の毛をつまんでハバククはんを持ち上げて宙を飛べるんやろ。それやったら、ダニエルはんの髪の毛つかんで洞窟から助け出してあげたらエエのんちゃうんか ?? )

ベルニーニと古典

ベルニーニがハバククとダニエルの像の制作を開始したのは西暦1655年のこと。その年、キージ家のファビオ・キージは教皇アレクサンデル7世として即位したんだ。(教皇アレクサンデル7世は、後にサン・ピエトロ大聖堂にあるカテドラ・ペトリをベルニーニに制作させている。)

ハバククとダニエルの像を制作する上でベルニーニが研究したと伝えられているのが、今はヴァティカン博物館・美術館にあるラオコーンの像。特にラオコーンのトルソ(胴体)を参考にしたらしいよ。

古典主義者は古代ギリシャ・ローマの古典に従うことで表現を浄化しようとした。対して、ベルニーニは古典から出発して想像力を解放した...という解釈をする資料もあるね。

やがて西暦1657年に「獅子と預言者ダニエル」像が完成。「預言者ハバクク」像が完成したのは、西暦1661年のことだった。


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