東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「エミリア・ロマーニャとトスカナ(イタリア)」

37. シエナの中心カンポ広場とガイアの泉

シエナの中心 カンポ広場

やって来たのは中世のシエナの中心だったカンポ広場(下の画像)。「カンポ」という言葉は「広場」を意味するらしいから、「広場」という名前の広場ということになっちゃう。でも、ここはヨーロッパでももっとも壮大な広場の一つだというから、広場という広場でも良いのかもしれない。

シエナの中心カンポ広場(イタリア)

上の画像の中央やや左に白い塔が見えているよね。あれはシエナ大聖堂(ドゥオモ)の鐘楼。当然ながらシエナ大聖堂も後で見に行くつもり。また上の画像の左から中央に向かって長い影が見えるよね。あれはマンジャの塔の影。マンジャの塔については、次のページで詳しく書くけどね。

カンポ広場とガイアの泉

このカンポ広場では市場が開かれていたらしい。広場の脇にはプブリコ宮殿(市庁舎)もあるんだけど、シエナ市の条例などはこのカンポ広場で布告されたんだそうな。その他にも騎馬槍試合や処刑などもこのカンポ広場で行われた。様々な意味でカンポ広場はシエナの市民生活の中心だった。そんなカンポ広場が赤いレンガで覆われたのが西暦1349年だった。

シエナの中心カンポ広場、遠くにガイアの泉(イタリア)

そんなカンポ広場の中央に立って眺めたのが上の画像なんだけど、その中心からやや右に白っぽいものが見えるかな。あれがガイアの泉(フォンテ・ガイアあるいは喜びの噴水)なんだ。

このシエナの街は中世ヨーロッパの重要な道の一つであるフランチジェーナ街道の経由地だったんだけど、その道を歩いてやって来た巡礼や商人たちも、このガイアの泉(喜びの噴水)に癒されたかもしれないね。

ガイアの泉(フォンテ・ガイア)

そのガイアの泉(フォンテ・ガイア)を間近から眺めたのが下の画像なんだ。このガイアの泉は西暦1419年に完成したんだそうな。このガイアの泉が作られる前までここにあった泉は西暦1342年に作られたものだった。シエナ中心部に水を引く地下水道の完成を記念するものだった。

シエナの中心カンポ広場にあるガイアの泉(イタリア)

シエナの中心にあるカンポ広場でも観光客に人気のガイアの泉なんだけど、その白い大理石の浮彫りは実はコピーだったりする。西暦1866年にオリジナルの浮彫りは撤去され、今ではプブリコ宮殿の中の市立博物館の中にあるんだそうな。

シエナのカンポ広場で開催されるパーリオ(競馬)

この旅行記を呼んでくれている貴方はイタリアに興味を持っているんだろうね。しかも、塩野七生さんの作品にも興味があるのかもしれないよね。彼女の作品の中に、ローマ教皇アレクサンデル6世の息子を主人公とした「チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷」という小説があるよね。その小説の冒頭のシーンが、このシエナのカンポ広場を舞台としている。

西暦1492年夏、「中心に向かってゆるやかな勾配をなしているこの扇形の広場」(塩野さんの表現)でパーリオ(競馬)の練習をしていたのは、若き日のチェーザレ・ボルジアだった。そこへ急ぎの知らせが届いた。父である枢機卿がローマ教皇に選出されたとのこと。そこからチェーザレ・ボルジアの波乱の物語が始まるわけだ。

シエナの中心カンポ広場に用意されたパーリオ(競馬)の観客席(イタリア)

そのシエナのカンポ広場を私たちが訪れた時、まさしくパーリオ(競馬)の準備が行われていた。広場の周囲にはたくさんの観客席(上の画像)が準備されていた。数日後にはここでシエナ名物のパーリオが開催されるわけだ。残念ながら私たちはそれを観ることはできないけどね。

余談になるけど、そのシエナのパーリオについてちょいと調べた結果が下記の通り。参考になればいいね。

  • パーリオはカンポ広場で年に 2回行われる競馬。まず聖母マリア生誕の日と伝えられる 7月2日。次に聖母マリア昇天の翌日である 8月16日。

  • シエナを構成する各地区(コントラーダ)を代表する裸馬が広場を三周して競う。故に「コントラーダのパーリオ」が正式名称。

  • 出走前に中世のシエナ市民の装束をした人々が行列を行う。

  • レースはほんの数分で終わる。でも、その後のお祭り騒ぎは果てしなく続くんだそうな。(シエナとフィレンツェの間の地域で生産されるキャンティのワインを飲みまくるんだろうね、きっと。)


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