東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

エーゲ海の旅 
サントリーニ島・ロードス島・クレタ島
(ギリシア)  1998年9月


11. 村のレストラン(サントリーニ島)

ピルゴス村の広場に面して、 2 軒のレストランがある。 1 軒は真新しく立派な店。もう 1 軒は、少々薄汚れている。

私たちが選んだのは、...薄汚れた店(下の画像)。店の前の看板に「ホーム・メイド・フーズ」とあったのが気に入った。

村のレストラン

しかし、店のテラスのテーブルに腰を降ろし、係の兄貴が出てきた瞬間に、その店を選んだことに後悔してしまった。

この店、大丈夫かなあ ?

店の外観だけではなく、係の若者までも薄汚れた感じなのだ。しかも、英語の対応も頼りない。

加えて、渡されたメニューがどうしようもない。ペンで手書きしたものをコピーしてあるのだが、とても字が読めない。それでも、料理を選び、再び姿を見せた兄貴に注文をする。

「ゴメン、それは今日は出来ない」、「あ、その料理は今日は材料が無い」、そんなセリフばかりだ。

「じゃあ、どの料理なら出来るんだ ?? 」 と尋ねる私。「メニューの中の料理の名前の横に鉛筆で印をつけてあるヤツならば大丈夫だ。」とのこと。それを早く言えよなあ !!




ドブロクのようなワイン

なんとか注文を終え、ワインを飲みながら料理を待つ。このワインが大した代物だ。

まずボトルが薄汚れている。しかも、色・香りともに強烈だ。まるで田舎のドブロクのようなワイン。グラスもウイスキーのショット・グラスのようなもの。ところが、味のほうは悪くないのだ。クセは強いけれども ... 。

犬が2匹と猫

料理はなかなか出てこない。その代わりにやってきたのが、犬が2匹と猫。

私たちのテーブルの周囲の思い思いの場所に腰を降ろし、私たちの料理が出てくるのを待っている。客が食事を始めれば、彼らのエサの時間だと承知しているらしい。

ようやく料理

昼食 やがて料理が登場。スブラキ、ムサカ、トマトとオリーブのサラダ。(こう言っちゃ悪いが)意外なことに、どれも美味いのだ。

挽き肉とナスだけのムサカは、極めてシンプルな味つけ。しかし、今までに口にしたムサカの中で、一番美味いかもしれない。

ヒツジ肉のスブラキは、クセが強い。しかし、柔らかくて肉の味が濃厚だ。なるほど、このクセのある肉料理には、このクセのあるワインが合うわけだ。

店の概観を見て「薄汚い」と表現してしまったが、思いの外に料理は美味い。しかも、不器用な家庭料理風。「ホーム・メイド・フーズ」と書いた看板に偽りは無い。

デザート

最後に食後のデザート。家内の希望はライス・プディングだ。

なかなか姿を見せない係の兄貴に痺れを切らし、私は店の中に入ってデザートを注文した。しかし、案の定、ライス・プディングは今日は出来ないという。「じゃあ、今日のデザートは何だ ??」と尋ねると、若者は答えに窮してしまった。

そこへ助け舟を出してくれたのが、店の奥にいた爺ちゃん。「ヨーグルトに蜂蜜はどうだ ?? 」 と言う。

やがて運ばれてきたヨーグルトと蜂蜜。ヨーグルトはクリーム・チーズのように濃厚だ。蜂蜜はザラザラとした感触が舌に残る。これは蜂の巣のかけらだろうか。それが美味いのだから不思議。口の中に強い後味が残るのだが、それにイヤミが無い。

意外にも楽しい食事を終えて、支払を済ませる。(この店も「手前味噌味ヨーロッパ・ミソラン・ガイド」に書きたかったのだが、残念なことに店の詳細が記録に無い。店の名前・住所・電話番号がわからないのだ。仕方なくミソラン・ガイドに入れることは諦めたわけだ。)

店の若者にタクシーを頼む。行き先は私たちのホテル。しかし、若者はそのホテルを知らないという。そんなこともあろうかと、私はホテルのマッチをポケットに入れておいた。そのマッチを見ながら、若者がタクシーを呼んでくれた。

【参考】都市別ツアー


【参考】ホテル検索



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