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ロンドンの風景(イギリス)

ロンドン・タクシー

ついついロンドン・タクシー

ロンドンでは地下鉄とバスがとっても便利 ・・・ ではあるけれど、ついつい使っちゃうのが、西暦1897年に登場したという歴史あるロンドンのタクシーだよね。

ロンドン・タクシー(イギリス)

よく見かけるし、道端で気軽に停めることも出来る。しかも、街をよく知っているから、よくわからない行き先でも連れて行ってもらえる。たくさんの荷物も載せることが出来るし。

ちなみに、西暦2013年11月に眼にした報道によれば、世界各地のタクシーの中でロンドンのタクシーは6年連続で最も高い評価を与えられたんだそうな。安全で清潔で運転手さんの運転も上手いと評価されたらしい。(余談ながら東京のタクシーの評価は世界で第3位だったとか。)

誇り高きロンドン・タクシーの運転手さん達

ロンドンのタクシーの運転手さんが街を良く知っているのには理由がある。タクシーの運転手になるには、とっても厳しい試験にパスしなきゃならないし、その為にとってもよく勉強しているから。

ロンドン・タクシーの中から見る高速道路 M4 の風景(イギリス)

その試験も、タクシーの運転の技術だけじゃなくて、ロンドンの地理を覚えていなければパスできないんだ。だから、タクシーの試験にパスするために、何年も勉強しなきゃいけない。その結果、ロンドンのタクシーの運転手さん達は、プロとしての誇りを持って仕事をしているわけだ。だから、信頼できるというわけだ。

ロンドン・タクシーの乗り方

もちろん、ロンドン・タクシーに乗るのは難しい話じゃない。だけど、ちょっと面食らうこともあるから、コツだけでも飲み込んでおけば戸惑うことも少なくなるかな。
  • 道ばたで手を上げてタクシーを止める。あるいは、大きな駅や空港ならば、タクシー乗り場の行列の後ろについて、順番を待つ。

    ロンドン・タクシーのことをブラック・キャブともいうけど、必ずしも色は黒とは限らないんだ。最近はカラフルなロンドン・タクシーも多くなってきたよ。

  • 乗り込む前に、助手席(といっても荷物置き場だけどね)の窓から運転手さんに行き先を告げる。場合によっては拒否されることもあるけど、ロンドンでは乗車拒否として問題にはならないみたい。深夜のタクシーだと、自分の帰宅する方向と反対向きには行くことを嫌がる運転手さんもいるね。

  • ロンドン・タクシーの運転手さんには、言葉がなまっている人が多いと感じるかもしれない。話が通じない人、あるいは英語に自信のない人は、行き先の名前と住所を書いたメモを用意しておくと良いかな。

    私は英語圏以外の国を旅するときには、この行き先メモを多用している。イタリアやフランスなどでも、行き先を書いたメモを用意しておくと便利だよね。香港でも使ったくらいだよ。

  • ロンドン・タクシーのドアは自動じゃないよ。自分でドアを開いて乗るんだ。日本のタクシーに慣れていると、ドアが開くのを待っちゃうかもしれないね。

    (逆にロンドン・タクシーに慣れてもうて、日本に帰ってからもタクシーのドアを自分で開けようとするヤツがおんねんけどな。)

  • 乗り込んだら、自分でドアを閉める。この際に力が半端だと半ドアになっちゃう。逆に力が強すぎると、「ドアが壊れる。」と不機嫌になる運転手さんもいたなあ。ほどほどは難しい ・・・ 。

  • 最近は、禁煙のタクシーも増えてきたね。但し、「禁煙」とはっきりと書いてあることは珍しい。多くは「タバコを我慢してくれてありがとう Thank you for not smoking 」なんて、微妙な言い回しを使っているね。(最近は日本のトイレで「きれいに使って戴き有り難うございます」なんて書いてあるね。)

    どうしてもタバコを吸いたい人は、乗る前に行き先を継げた後、「車内でタバコを吸ってもいいかな」と遠慮がちに尋ねてみるのも手かも。車内に禁煙のサインがあっても、「ああ、いいよ」なんて言ってくれる運転手さんもいるよ。

  • ロンドン・タクシーの中では、飲食をすると嫌がられるね。車内が汚れたり、匂いが残ったりするからだろうね。当たり前の話かもしれないけど、わざわざ車内に「飲食禁止」なんて書いてあるタクシーが多いところを見ると、車内で飲み食いする人が多いんだろうね。

  • さて、目的地に到着したら、まずタクシーを降り、ドアの横に立って運賃を支払う。と、教科書には書いてあるかもしれない。確かに、そうやっている人が多いんだけどね。

    が、その通りにする必要も無い。寒い日や雨の日には、車内で支払い、お釣りをもらってから下車したってイイんだ。ま、特にこだわることは無いけど、わざわざ雨に濡れる必要も無いよね。

  • 運賃には 10%程度のチップを、なんて書いてある観光ガイドも多いね。でも、これも特にこだわることも無い。どんなに小額のお釣りでもきっちりと受け取るイギリス人だって少なくはないんだ。

    ま、チップを払っても、払わなくても良い。大事なのは、気持ちよく目的地に行くことが出来れば、ちょっとチップを払うってことかな。「ありがとう」というお礼もね。というか、タクシーに限らずだけど、「ありがとう」は絶対に必要な言葉だよね。チップを払わなくても、「ありがとう」は言おうよ。

景色も楽しめるロンドン・タクシー

地下鉄と比べて、ロンドン名物の赤い二階建てバス(ダブル・デッカー)の良いところは、何と言っても景色だよね。その二階建てバスには負けるけど、ロンドン・タクシーだって景色を楽しむことが出来るさ。

特に私が好きなのは、ロンドン市内からヒースロー空港へ向かう途中でタクシーの中から見る景色かな。時間帯によっては、とってもキレイなロンドン郊外の風景を楽しむことが出来る。但し、空港へ行くのに最も確実でお薦めできると私が信じる交通手段はロンドン市内のパディントン駅から乗るヒースロー・エクスプレスだけどね。

ロンドン・タクシーのメーカーが ・・・

西暦2012年、ちょいと気になるニュースがあった。歴史あるロンドン・タクシーのメーカー「マンガニーズ・ブロンズ」が経営難に陥っているらしい。ロンドン名物のタクシーがこれからも走り続けることが出来るのか、ちょいと心配になっちゃうよね。

他方で、日本の日産がロンドンのタクシーを製造するとか。日本のメーカーが作ったロンドンのブラック・キャブにも乗ってみたいけど、でも歴史ある古風なブラック・キャブもいつまでも走って欲しいよね。経営難に陥ったロンドン・タクシーのメーカーが蘇ることを願うよ。

そして西暦2013年2月、経営難に陥っていたロンドン・タクシーのメーカー「マンガニーズ・ブロンズ」を中国の自動車メーカーが買収したとの報道があった。その結果、伝統あるロンドン・タクシーの生産が続けられることになったんだそうな。あのロンドン・タクシーが引き続きロンドンの街を走り続けるということで、ひと安心ということかな。

ミニ・キャブ

最後に、ちょっとオマケなんだけど、イギリスにあるミニ・キャブと称する乗り物について書くね。
  • 正式なロンドン・タクシーをブラック・キャブとも呼ぶと書いたけど、ミニ・キャブというのは日本の「白タク」に近いかな。つまり正式な認可を受けていないタクシー。でも、イギリスでは違法というわけでもないみたい。

  • ミニ・キャブには料金のメーターが付いていない。だから、行き先を告げて料金を確認してから乗ることになる。その料金は、正式のロンドン・タクシーと比べると、かなり安いね。

    但し、油断するとボラれることもある。しかも、難しい試験に合格したロンドン・タクシーの運転手さん達と違って、彼らは道を知らないことも少なくない。だから、とんでもないところへ連れて行かれることも無いとはいえないんだ。

  • 彼らの車には "TAXI" という表示が出ていない。法律で彼らは路上で客を拾うことを禁じられている。だから、ミニ・キャブに乗るというのは、自分でミニ・キャブのオフィスに電話して呼ぶか、ホテル・宿や飲食店で呼んでもらった場合に限られるね。

    但し、時には街角で客を拾おうというミニ・キャブもいる。だけど、それは完全に違法。そんな違法行為をするということは、その運転手を信用しないほうが良いということだと思うね。

  • ミニ・キャブの車は殆んどが普通の乗用車。時には高級車を売り物にしているミニ・キャブの会社もあるんだけど、多くの場合はオンボロの車。だから安いんだけどね。

  • 最後にミニ・キャブの運転手。もちろん、良い人たちもいる。私が仲良くしていたミニ・キャブの運転手は良いヤツだったよ。だけどね、中には元犯罪者 ・・・ なんて人がいるのも事実なんだ。安いからといって不用意にミニ・キャブに乗ることは、避けたほうが良いかもしれないね。

    ミニ・キャブに乗るときは、よく知っている会社の車か、あるいは信頼できる知人の紹介する車、あるいは貴方自身が慣れている場合に限ったほうが無難だね。

    私もロンドン駐在中には、「こりゃマズイんちゃうか ・・・ 」と心配になり、ウソをついて車を降りて逃げた経験があるよ。

    (おいおい、そりゃ下手すりゃ乗り逃げちゃうんか ?!?!)
    いやいや、それほど怖かったんだよ。

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