東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

ロンドンの風景(イギリス)

ネルソン提督が見下ろすトラファルガー広場
(ロンドン、イギリス)

ロンドンとトラファルガー広場を見下ろすネルソン提督

ロンドンのトラファルガー広場に立つネルソン提督(イギリス) ロンドンピカデリー・サーカスからヘイ・マーケットを南に向かい、バーバリーの店や「オペラ座の怪人」をやっているハー・マジェスティーズ・シアターの前を通り過ぎれば、トラファルガー広場は目の前だ。

(歩かんでも、地下鉄のチャリング・クロス駅を出たら、目の前にトラファルガー広場やけどな。)

そのトラファルガー広場を、高さ51メートルの円柱の上から見下ろしているイギリスの英雄 ネルソン提督(右の画像)が遠くからでも良く見える目印になるよね。

ちなみに、そのネルソン提督がナポレオンの支配するフランスとスペインの連合艦隊を撃ち破ったのが、1805年10月のトラファルガーの海戦

その海戦でネルソン提督率いるイギリス海軍が勝利を得たおかげで、ナポレオンのイギリス上陸作戦が不可能になったんだ。

たくさんの鳩と観光客が溢れているトラファルガー広場だけど、実はイギリスにとっては重要な歴史のひとコマを記念する場所なんだね。


ネルソン提督とウェリントン将軍とナポレオン

余談ながら、トラファルガー広場を見下ろすネルソン提督のお墓は、セント・ポール大聖堂の地下にあるんだ。

ついでながら、ナポレオン戦争において海軍のネルソン提督と並ぶ陸の英雄がウェリントン将軍。彼の像はロンドンが誇る世界の金融街シティに立っている。お墓はネルソン提督と仲良くセント・ポール大聖堂の中だよ。

もう一つおまけだけど、彼らが打ち倒したフランスの皇帝ナポレオンは、パリにあるアンヴァリド(廃兵院)で眠っている。

ついでながら、このトラファルガー広場は、ナポレオン戦争のみならず、第一次世界大戦とも大いに関係しているんだ。第一次世界大戦勃発後、当時のイギリスの陸軍大臣キッチナーはこのトラファルガー広場で若者達に兵士として志願するように演説で呼びかけんだそうな。その結果、多くのイギリスの若者たちが兵士として前線に向かって行ったらしい。

ところで、アイルランドの首都ダブリンにあるオコンネル通りカトリック教徒解放法の成立に尽くしたダニエル・オコンネルなど著名人の像が多い通り)には、かつてネルソン提督の像が立っていた。ところが西暦1966年のことなんだけど、ネルソン提督像の立つ円柱の半ばから上が爆破され、間もなく像も撤去されてしまったらしい。かつてイギリスに支配されていたアイルランドでは、ネルソン提督はイギリスの帝国主義の象徴として反発の的だったみたい。

トラファルガー広場のライオン像

トラファルガー広場のネルソン提督の足元のライオン(ロンドン、イギリス) そのネルソン提督の円柱の足許を守っているのは、右の画像にあるライオン像。でも、このライオン像の作者は、ネコをモデルにしたらしい。その結果、このライオン像の足はネコの足になっているんだそうな。

だからライオンをなめているというわけじゃないだろうけど、この広場に集まる多くの若者がライオンの上によじ登っている。特にフット・ボールのゲームがあった日の夜や大晦日の夜は、ライオンの上でフーリガンや若者たちが大騒ぎをして大変なんだ。

クリスマスの夜のトラファルガー広場

そんなトラファルガー広場が静けさに包まれるのがクリスマスが近づく頃。中央に立てられた大きなクリスマス・ツリーの下に臨時の聖歌隊席が設けられ、少年達の歌う讃美歌が広場に響きわたるんだ。

トラファルガー広場のクリスマス・ツリー(ロンドン、イギリス)

やがて少年達の歌声がやみ、人々は少年達の持つ募金箱に小銭を入れる。ひとときの敬虔なる時間。もっとも、その後で繁華街まで歩いた人々は、そこでドンちゃん騒ぎをするんだけどね。

トラファルガー広場の北にはナショナル・ギャラリー (ロンドン)

トラファルガー広場の向こうはナショナル・ギャラリー(ロンドン、イギリス)

そんなトラファルガー広場の様子が上の画像なんだけど、広場の北側に見える建物は、ナショナル・ギャラリーなんだ。 入場無料(特別展は有料)でヨーロッパの名画の数々を見ることができるという、うれしい美術館だ。

展示されているのは、ボッティチェリなどの初期ルネサンスのイタリア絵画から、ターナーなどのイギリス絵画まで様々。例えば、ゴッホの「ひまわり」「ヴィンセントの椅子」、モネの「睡蓮の池」、ルノワールの「雨傘」、セザンヌの「大水浴」など。もちろん、私の好きなイタリアのラファエロミケランジェロダ・ヴィンチなどもあるよ。イギリスのロンドンに来たら大英博物館は必見だけど、もし余裕があれば、あるいは美術が好きならば、このナショナル・ギャラリーもお薦めだね。


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