東西南北 春夏秋冬 ヨーロッパの旅

旅行記 「夏のプロヴァンス」 (フランス)

エクサン・プロヴァンス、ラヴェンダー、ヴァレンソール、ムスティエ、セナンク、ゴルド、マルセイユ

02. サント・ヴィクトワール山と画家セザンヌ

ポスト印象派の画家セザンヌが好んだサント・ヴィクトワール山

エクサン・プロヴァンス市内を出たバスが、郊外の丘の上で停車した。ガイドさんの指差す方向に見えるのが、下の画像の眺めだった。

フランス南部エクサン・プロヴァンス近くにあるサント・ヴィクトワール山(セザンヌが描いた)

画像の中央の門柱の間、遠くに見えているのが、エクサン・プロヴァンスの東 20kmほどのところにあるサント・ヴィクトワール山。フランスのポスト印象派の画家ポール・セザンヌが好んで描いた山だね。セザンヌの頃には、このあたりには建物が少なくて、もっと見晴らしが良かったんだそうな。

画家セザンヌの作品「サント・ヴィクトワール山」

そして下の画像は、その画家ポール・セザンヌが残した作品「サント・ヴィクトワール山」。

フランスの首都パリのオルセー美術館で見たセザンヌの「サント・ヴィクトワール山」

別の機会にフランスの首都パリを旅した時に、パリのオルセー美術館で見た作品なんだ。

画家セザンヌのアトリエ

サント・ヴィクトワール山を眺めた場所の近くにあったのが、画家セザンヌのアトリエ(下の画像)だった。

フランス南部エクサン・プロヴァンス郊外にあるセザンヌのアトリエの外観

ポスト印象派の画家ポール・セザンヌがエクサン・プロヴァンスの郊外にあるこのアトリエを買ったのが西暦1901年のこと。それから西暦1906年に亡くなるまで、ここで作品を描き続けたらしい。

ちなみに、残念ながらアトリエの中ではカメラは使用禁止だった。庭では撮影も許されているということで、なんとかシャッターを押したのが上の画像なんだ。できればアトリエの内部の画像も撮りたかったんだけどね。

でも、セザンヌのアトリエの敷地の散歩が心地良かったね。木立からはセミの声が聞こえていた。そういえば、セミの声を聞くのも久しぶりだ。自宅のある(当時の話)イギリスの首都ロンドンではセミの声を聞いたことも無いからね。

画家ポール・セザンヌとエクサン・プロヴァンス(エクス)

フランスの画家ポール・セザンヌは、西暦1839年にフランス南部にあるエクサン・プロヴァンス(略してエクス)で生まれたんだそうな。ビジネスマンだった父親の期待に応えて、大学の法学部に進んだ。でも、結局は大学を中退し、パリに出て絵の勉強をしたらしい。(当時の貧乏画家たちが集まっていたパリのモンマルトルの丘にも行ったかな。)

やがてセザンヌは印象派の画家グループと親交を深めたらしい。特にピサロとは親しくつきあっていた。ところが、西暦1870年代の終わり頃には、印象派の画家たちとの関係も遠くなり、パリを去って、郷里のエクサン・プロヴァンスに戻ったんだそうな。

西暦1882年には初めて作品が入選した。かといって、作品が評価されていたわけじゃないらしい。でも、ビジネスマンだった父親が裕福であり、しかもその父親の死後には財産を相続したこともあって、売れない画家セザンヌが経済的に困ったということはなかったみたい。(同じ画家のゴッホとは大違いだったんだ。)

セザンヌが例外的に親交を続けていた画家クロード・モネに招待されて、フランス北部ノルマンディー地方のジヴェルニーにあるモネの家(アトリエ)を訪れたのが西暦1894年のこと。その家の脇にモネは睡蓮の池を作り、代表作「睡蓮」を描いたわけだ。セザンヌが上の画像にあるアトリエを買ったのは西暦1901年のことなんだけど、そんな画家モネのジヴェルニーの家に影響を受けたんだろうね。

こうしてフランス南部エクサン・プロヴァンスの郊外にアトリエを構え、作品を描き続けたポスト印象派の画家ポール・セザンヌ。でも、屋外で作品を描いている時に雨に濡れて肺炎を患い、西暦1906年に亡くなってしまったんだそうな。自ら選んだ絵の制作の為に亡くなったセザンヌの作品は、その死後に更に高く評価されるようになったらしい。


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