ヨーロッパ・ミソラン・ガイド 手前味噌味 レストラン・レポート
ヨーロッパ・ミソラン・ガイド


早すぎる引退が惜しまれる
マルコ・ピエール・ホワイト
「オーク・ルーム」

(ロンドン、イギリス 1999年11月6日)

Restaurant Misolin Michelin
Marco Pierre White
The Oak Room
21 Piccadilly, London W1V 0BH
Tel = 020-7437-0202
Fax = 020-7437-3574

引退

ロンドン市内でも数少ないミシュラン三ツ星のレストラン「 オーク・ルーム 」のシェフであるマルコ・ピエール・ホワイトが年内に引退すると聞き、慌てて予約を取ったのが月曜日だった。

そして、今日は土曜日。日中は自宅でのんびりと過ごし、夕方になって張り切って出かけてきた。

レストラン

目指すレストランは、ピカデリー近くのメリディアン・ホテルの中にある。店の入口でコートを預け、係の案内に従ってテーブルに落ち着く。

カード

二人掛けのテーブルなのだが、大きくてゆったりと座ることができる。テーブルとテーブルとの間隔も広い。ダイニング・ルームの内装も素晴らしい。

ワインと料理を選ぶ

アペリティフには白ワインのグラスを選んだ。ワインの銘柄を聞き漏らしてしまったのだが、グラス・ワインでこれだけ美味いというのはさすがだ。

メニューを開く。最初のページには 50 ポンド( 8,600 円)と 90 ポンド( 15,000 円)の 2 種類のコース料理。これを高いというか安いというかは人それぞれだ。

しかし、少なくとも、ロンドンで無理して高い日本食を食べるよりは、私はこちらを選ぶ。...と言いつつ、私たちが選んだのはア・ラ・カルト。

印象的だったのがワイン・リスト。これだけの店だから、ワインの品揃えは豊富だ。それでいて、ワイン・リストは全て手書き。店のソムリエ氏は、手間も暇もかけている。

前菜

最初の料理は、オイスターのシャンパン・ゼリー。この店の名物料理だ。しかし、店のコースには、この料理が入っていなかった。だから私たちはア・ラ・カルトを選んだというわけだ。

その名物料理。牡蠣の殻にさわやかさっぱりソースを少々、その中に小ぶりの牡蠣を入れ、クレソンの葉を 1 枚、それをシャンパンのゼリーで柔らかく固めてある。

なるほど、評判通りに美味い。惜しむらくは、私たちが飲んでいるのがシャンパンでなかったこと。シャンパンをグラスでもらえばよかったと後悔している。

ワイン

メインが出てくるタイミングを見計らって、注文しておいたワインの登場。ソムリエ氏のアドバイスを聞きつつ選んだワインは、私の好きなブルゴーニュの赤、ニュイ・サン・ジョルジュの 96 年。

ワイン




メイン

家内のメインはラム肉のグリル。ラムのフィレを網脂で包んでサッと焼いてある。それでいて脂身のしつこさを感じさせない。

ラムに添えてあるのは、プロヴァンスのラタトゥイユ風の野菜。小指ほどの大きさに切ったナスやマッシュルームの上には、梅肉の酸味が少々。ズッキーニの花の中にはレバーのムース。焼いたプチ・トマトも添えてある。小皿にはクリーミーなマッシュ・ポテト。手間も暇もかけている。それでいて、どれも美味いのだから脱帽だ。

私のメインは牛の尻尾の煮込み。赤ワインを使って柔らかく煮込んだ肉を、骨からはずしてハンバーグのように丸め、それを網脂で包んで形を整えてある。

その上には、ポテトで作ったカリカリのネストを置き、小さなニンジン・アスパラ・オニオンを立ててある。味つけは濃厚で塩辛いのだが、とにかく美味い。これぞ肉 !! という一品だ。もちろん、ワインとの相性も良い。

デザート・ワイン

食事を終えた私たちのテーブルに、白ワインのグラスが二つ運ばれてきた。店のサービスだとのこと。濃厚な色の白。ソーテルヌだ。食後にソーテルヌをグラスで出すとは、いまどき珍しいほどにクラシックな店だ。

もちろん、そのソーテルヌの質は高い。香りも味も甘いが、後味はさっぱりしている。質の落ちるソーテルヌでは、こうはいかない。

デザート

デザートの前には箸休め。パンナコッタにイチゴの丸ごとジャムを添えたもの。

続いて、家内のデザートはプルーンのスフレにアルマニャックのアイス・クリーム添え。私はロートシルトのスフレ。

更にプチ・フールが続く。いくら美味しくとも、胃袋の限界だ。ところが家内は喜んで食べている。文字通り、底抜けに恐ろしいヤツだ。

最後にコーヒーを飲みながら店内を見回す。家内によれば、間違っても男二人で来るべきではないとのこと。二人用のテーブルは、全てベンチ・シートになっている。そんな席に男二人が腰を下ろせば、間違いなくホモのカップルに見えるというわけだ。

それから ...

そして翌日のことだが、家内は夕方まで二日酔に苦しんでいた。もう二度とワインは飲まないそうだ。

(その後、マルコ・ピエール・ホワイト氏は予定通りに引退してしまった。そして、ロンドン市内からミシュラン三ツ星が消えてしまった。)

【参考】都市別ツアー


【参考】ホテル検索



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