ヨーロッパ・ミソラン・ガイド 手前味噌味 レストラン・レポート
ヨーロッパ・ミソラン・ガイド

ロンドンでフォアグラを食べるなら
「クラブ・ガスコン」

(ロンドン、イギリス、1999年2月27日)

Restaurant Misolin Michelin
Club Gascon
57 West Smithfield
London EC1A 9DS
England
020 7796 0600

レストランに向かう

土曜日の夕方 6 時に家を出る。地下鉄に乗ってロンドン市内へ。

目指すは数カ月前に開店したというレストラン 「クラブ・ガスコン」。
クラブ・ガスコン 玄関

英語でガスコン Gascon というのは、フランス南西部のガスコーニュ Gascony 地方の人という意味である。この店も、ガスコーニュ地方の料理を売り物にしているらしい。その中でも極めつけはフォアグラだという評判だ。

心配のタネ

レストランに向かう途中、ひそかに心配していたことがあった。料理にあわせるワインである。普通の料理ならば問題は無い。しかし、難しいのはフォアグラなのだ。

せっかく美味いフォアグラを食べるのならば、例えばボルドーの南のソーテルヌの甘口の白を合わせたい。しかし、私たちは二人だ。フォアグラだけの為に甘口のソーテルヌを注文しても、他の料理には合わないと思われる。

店に到着

繁華街から少し離れた薄暗い場所にあるレストランに到着。コートを預けて、テーブルに落ち着く。現代的な作りのレストランだ。テーブルとテーブルとの間が近すぎるのは不満だが、内装はキレイだし、従業員の対応もキビキビと気持ち良い。

アペリティフは店の薦めるクラブ・ガスコン・スペシャルを注文。シャンパンをベースに、アルマニャックとオレンジを合わせたもの。なかなか爽やかで美味い。

心配のタネが消えた。

さて料理だ。前菜を選び、続いてフォアグラ、最後にメインを選ぶ。

そして、問題のワインだ。しかし、ワイン・リストを見た途端に心配のタネが消えた。モンバジャックをグラスで用意してある。なるほど、さすがにフォアグラにこだわるだけのことはある。

そのモンバジャック Monbazillac だが、ボルドーの東 100 km ほどの山間部で生産される甘口の白ワインである。これならば、フォアグラとも合うわけだ。フォアグラにはモンバジャックをグラスでもらい、それ以外の料理の為にドライのワインを注文した。

アミューズ・グール

まずはアミューズ・グールを食べながら、料理を待つ。アミューズ・グールは、豆のポタージュ。グリーン・ピースとレンズ豆のようだ。なかなかの味。料理にも期待が出来る。

1 皿目

家内の 1 皿目は白インゲンの煮込み。ボルドーのビストロで食べたものに似ている。私の前菜は、スペインとフランスのの国境地帯であるピレネーのチーズ。強烈なニオイだ。クセのあるチーズの苦手な家内は嫌な顔をしている。そんな顔をしないでも、 1 皿目は白インゲンの煮込みの勝ちだ。チーズも美味しいけどね。

ワイン ワイン

飲んでいるワインは、マディラン Madiran の赤。(右の画像)

マディランというのは、やはりピレネーに近いワイン産地である。ガッシリした赤ワインを生産している。




フォアグラ

いよいよ、フォアグラの出番である。家内はフォアグラのラヴィオリ。この料理はラヴィオリとしては逸品だ。非常に美味い。しかし、フォアグラとしては物足りない。

対して私が選んだフォアグラのカルパッチオは、「これでもか !!」というほどフォアグラだ。ともかく大量のフォアグラが皿に乗っている。ところが、これがあっさりしている。フォアグラを酢でしめてあるのだ。なるほど、フォアグラ自慢の店である。フォアグラの素材も良いが、工夫も素晴らしい。

ちなみに、フォアグラにあわせて飲んでいるのは、グラスで注文したモンバジャック。店がフォアグラの為に用意した甘口の白だけのことはある。フォアグラにピッタリ。

メイン

最後の料理は、鴨肉とラムのコンフィ。ワインも先ほどのマディランに戻る。

コンフィ Confit というのは、手許にあるフランス料理の辞典によると、「果実や野菜を砂糖・蒸留酒・酢などに漬け込んだもの。あるいは、豚・鴨などを脂肪に漬け込んだもの」。

家内の鴨肉のコンフィは美味い。しかし、私が選んだラムのコンフィは、さすがに重すぎた。料理が二品だけならば食べることも出来ただろうが、さすがに三品となるとお腹が苦しい。

関連書籍

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デザートとエスプレッソ

「お腹が苦しい」と言いながらも、デザートを食べるのだから、人間の胃袋というものは不思議である。

最後に出てきたエスプレッソには、カヌレが付いてきた。これはフランス南西部のお菓子である。

今夜のディナーのお代は、 120 ポンド( 24,000 円)であった。




とことんガスコーニュ

この店は素晴らしい。但し、ガスコーニュの料理とワインに限れば、である。

メニューに並ぶ料理は、全てガスコーニュ地方のもの。ワインの品揃えもフランス南西部のものばかりだ。ブルゴーニュやプロヴァンスのワインなどは全く無い。

「ガスコーニュの味」を期待して来る人は、満足して帰ることが出来る。しかし、「フランスの味」を求めて店に来る人は、必ずしも満足を得ることが出来ない。そんな店である。

そんなクラブ・ガスコンが、私たちは大好きになった。またフォアグラを食べに来よう。そういうわけで、この店には 3 ミソの評価である。

【参考】都市別ツアー


【参考】ホテル検索



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イギリスとロンドンを食べる関連書籍

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